我が家の魔法。
「ママ、やさしいね」
最近長女がこんなことを言ってくるようになりました。
一見、ほほえましい会話の中での「娘からの嬉しい一言」
のようですが
「その技法、早くも手に入れたか」
とひねくれた私は思ったのでした。
実際、一日一回は怒っちゃうのでね。
こどもは、特に小さい子どもはマイペースです。
いいんです、それで。そういう生き物だから。
でも、そうはいっても親の朝は忙しい。
親のペースにある程度付いてきてもらわないと
この後の仕事や予定に支障が出るわけです。
そうならないように余裕を持たせて朝の支度を・・・
なんて出来ません。したいけど。
不思議とその余裕をぶち壊す様々なトラップが
日替わりで面白いように起きます。
そこで親は、いえ、私が言います。
「はーやーくーしーてーーーーー」
それで早くなった試しがありません。
で、なんの本か忘れたけど
そこに書いてあったのが次の技法。
『こどもに早くして欲しい時は
「早い!早いぞ!」と言ってみてください』
ほんまか、それ。
早くない人にそれ言うのかー
なんて思いながらも、ある朝使ってみました。
忙殺の朝、ちんたら妄想の世界に浸りながら
渡した靴下を穿かずに振り回している長女に。
「すごいね!早いぞ!早い早い!」
早くなりましたよね、一瞬で。
リモコンで早回しボタンを急に押された人のように。
で、何の話かというと
冒頭の「ママ、やさしいね」に話は戻るわけです。
それを言われた私は「うぐっ」と声を詰まらせ
そのすぐ後から声のトーンすら、よりやわらかくしてました。
意識的にか無意識的にかは自分でもわからず。
娘の言葉通り『やさしく』ありたいと
そう思ってくれてるんやったら期待に応えたいと
気持ちや体が働いたんでしょうかね。
嘘でしょってくらい単純なだけかな。
わたしたち親子が。
どちらがどちらの手のひらで
踊ったり踊らされたりしてるのかはわかりませんが
嫌な気持ちにはならない、こういった踊らされ方は
まあいっか。心地良いので。
我が家での最近の技法、もとい『魔法』でした。